2017年6月から見直しが実施される「産業医の役割」
報告書の公表と省令改正
近年、メンタルヘルス対策や過重労働対策等、労働者の健康確保対策の重要性が増しているところですが、それに伴い「産業医」に求められる役割が変化し、ストレスチェックをはじめとして対応すべき業務も増加しています。
このような状況の中、昨年12月に「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」がまとめられ、それを受けて厚生労働省が今年3月に産業医の役割等に関する省令の改正を行い、6月1日より施行されることとなっています。
企業の実務にも影響を与えることとなりますので、改正の内容を紹介いたします。
改正の内容
- 健康診断の結果に基づく医師等からの意見聴取に必要となる情報の医師等への提供
事業者は、各種健康診断の有所見者について医師等が就業上の措置等に関する意見具申を行ううえで必要となる労働者の業務に関する情報を当該医師等から求められたときは、これを提供しなければならないこととする。 - 長時間労働者に関する情報の産業医への提供
事業者は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名および当該労働者に係る超えた時間に関する情報を産業医に提供しなければならないものとする。 - 産業医の定期巡視の頻度の見直し
少なくとも毎月1回行うこととされている産業医による作業場等の巡視について、事業者から毎月1回以上産業医に所定の情報が提供されている場合であって、事業者の同意がある場合には、産業医による作業場等の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。
「働き方改革」における位置付けは?
ストレスチェック制度の開始(2015年12月)で改めて注目を集めることとなった産業医。
今年3月公表の『働き方改革実行計画』に盛り込まれた「病気の治療と仕事の両立」の項目の中でも、“産業医の役割の重要性と機能強化”や“産業医が効果的な活動を行いやすい環境整備”がポイントとされており、今後ますます「産業医の役割」に注目が集まりそうです。
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