信頼できる上司・信頼できない上司はこんな人

信頼できる上司・信頼できない上司はこんな人

「信頼できる上司」の理由

 マンパワーグループの「上司との信頼関係」に関する調査(入社2年目までの22~27歳の正社員男女400名を対象)によると、仕事上で上司を信頼しているとの回答が8割以上となったそうです。

 その信頼する理由(複数回答)では、回答の多い順に次のように続いています。

  1. 「部下の話を真剣に聞く」
  2. 「頭の回転が速い」
  3. 「良いところをほめてくれる」

 これらの結果を逆に考えると、
 1.は、聞いているのか・いないのかよくわからない態度というのは、部下からしても上司からしても良い印象はありません。当然といえば当然なのですが、意識したいところです。

 2.は、部下からの質問の仕方なども影響するかもしれません。
 入社2年目ではまだまだ経験していない仕事上の「落とし穴」などもあることでしょう。「この場合はこうすればよい」というように単純に言い切れないことも多いものです。

 3.は、日本人の特性なのかもしれませんが、できていることはどんなことで、できていない部分はどんなことなのかをはっきり言わない(往々にしてミスの指摘ばかりする)状態になると、部下としては「叱られてばかりだ」という気持ちなってしまいますね。
 演技でもいいですから(?)、「いいね」が求められているようです。

「信頼できない上司」の理由

 一方、上司を信頼できない理由としては、回答の多い順に次のように続いています。

  1. 「高圧的な言動」
  2. 「人によって態度が変わる」
  3. 「仕事の指示がわかりにくい」
  4. 「相談しても助言してくれない」

 一歩間違うとパワハラとも言われかねない1.などは論外かもしれませんが、これらの回答を見ると、上司の方、特に中間管理職の方にとっては酷な社会状況なので、同情を禁じ得ない部分もあります。
 この不透明かつ流れの早い時代に「なんでもわかってる」ような態度の上司は信頼できるでしょうか?

 アンケートから得られる教訓としては、もっとオープンに話し合えばいいじゃないか(そういう雰囲気を作る)、ということでしょう。
 上司だってかつては部下だったのですから、部下の気持ちがわからないことはないはずです。

若手社員の離職を防ぐには上司との関係がカギ

 以下参考リンク先に記載がありますが、内閣府が発表した「2018年版 子供・若者白書」によれば、初職の離職理由のトップは「仕事が自分に合わなかった」で、全体の半数近くを占めており、さらに第2位は「人間関係が良くなかった」で、全体の4分の1近くの回答となっていました。
 この調査によれば、若者世代にとっては、「労働時間、休日、休暇の条件」「賃金」「ノルマや責任の重さ」などの項目より、実は仕事内容や職場の人間関係のほうが離職における要因となっていることがわかっています。

 働き方改革による法改正も相まって、人事担当者はワークライフバランス環境の整備に目が行きがちですが、仕事内容の指示を与えるのは上司であり、職場の雰囲気や人間関係においても、上司の存在は大きく影響するものです。
 今後、若者世代の採用率や定着率をアップさせていくためには、上司世代のマネジメント教育を見つめ直し、上司・部下がより良い関係を築ける職場をつくっていくことも大事といえるでしょう。

1年の始まりにあたって職場環境の点検や深い検討を

 職場の人間関係が負の方向に向かうと、部下のほうでは「離職」につながりますし、上司のほうでは「パワハラ」につながっていきます。
 どちらにしても職場の雰囲気は悪くなり、会社にとっては損な話です。

 1年の始まりにあたって、若い世代がどう感じているか、上司世代にどう行動してもらうべきか、どんな新人を採用すべきか、少し深く考えてみてもいいかもしれません。

参考リンク

マンパワーグループ「部下から見る「信頼できる上司像」とは」
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20191127.html

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