テレワーク・リモートワークに必要な5つの力量
場所にとらわれず最大限の力を発揮するために
働き方が多様化する現代において、テレワーク・リモートワークは、場所や時間に縛られずに働くことができる、魅力的な選択肢の一つです。しかし、その自由度の高さ故に、従来のオフィス勤務とは異なるスキルや能力が求められます。
テレワーク・リモートワークで真に成功を収めるためには、自律性、責任感、そして高いコミュニケーション力を兼ね備え、積極的に業務に取り組む姿勢が不可欠です。
テレワーク・リモートワークで成功するために必要な5つの力量を、詳しく解説するとともに、それらの力をどのように身につけることができるのか、そのヒントをご紹介します。
1.自発的に業務を進められる自己管理能力
テレワーク・リモートワークでは、上司や同僚の目がない環境下で、自ら計画を立て、業務を進めていく必要があります。そのため、高い自己管理能力が求められます。
- 時間管理
- 始業・終業時間を明確にし、メリハリをつけて働く。
- 集中しやすい時間帯に重要なタスクを行う。
- 〆切や時間配分を強く意識し時間内にすべき業務を終了させる。
- タスク管理
- タスクの優先順位を決め、計画的に進捗管理を行う。
- タスク管理ツールなどを活用し、進捗状況を可視化する。
- モチベーション維持
- 目標を明確に設定し、達成感を味わえるように工夫する。
- 周囲とのコミュニケーションを積極的に行い、孤立を防ぐ。
- 集中力維持
- 仕事専用のスペースを確保し、周囲の音や視覚的な情報など、気が散るものを極力排除する。
- 成果に向かってまっしぐらに進むことが重要であり集中力が肝要になる。
業務進捗が「遅い」人は注意が必要です。求められていることが「標準時間」で進められているか注視が必要です。特に「遅い」ことが自覚されていないスタッフには注意を要します。よって、高い自己管理能力が求められます。
2.オンラインツールを駆使して業務を進行できるITスキル
テレワーク・リモートワークでは、オンラインツールが業務の基盤となります。
様々なツールを理解し、適切に使いこなすことで、業務効率を格段に向上させることができます。
コミュニケーションツール
- チャットツール:
Line Works、Slack、Microsoft Teamsなど - ビデオ会議ツール:
Zoom、Google Meetなど画面共有機能で資料を効果的に提示する。 - タスク管理・プロジェクト管理ツール:
Trello、Asana、Backlogなどを使いこなしタスクの進捗状況を可視化し、チームで共有する。課題管理機能で問題点を共有し、迅速に解決を図る。 - クラウドストレージ:
Google Drive、Dropboxなどで、共同作業を効率化し、バージョン管理機能で編集履歴を管理する。
セキュリティ対策
- セキュリティソフトを導入し、最新の状態に保つ。
- 強固なパスワードを設定し、定期的に変更する。
- VPN接続を利用し、安全なネットワーク環境を構築する。
- フィッシング詐欺や不正アクセスなどのセキュリティリスクについて理解を深める。
3.適切で円滑なコミュニケーション能力
テレワーク・リモートワークでは、対面でのコミュニケーションが減少するため、オンラインでのコミュニケーション能力が重要となります。
- 理解力
- 相手のメッセージをよく読んで察し、意図を正確に理解する。
- 不明な点があれば、積極的に質問する。
- 相手の立場や状況を理解しようと努める。
- オンライン会議では、非言語コミュニケーションにも注意を払い、相手の表情や声のトーンから感情を読み取る。
- 表現力
- メールやチャットでは、簡潔で分かりやすい文章を心がける。
- 結論を最初に述べ、誤解のないよう、必要な情報を漏れなく伝える。
- 箇条書きや表を活用する。
- オンライン会議では、発言のタイミングを意識し、簡潔に要点を伝える。
- 自分の意見だけでなく、他の人の意見にも耳を傾ける。
- ツール活用
- 目的に合わせて、チャット、メール、ビデオ会議などを使い分ける。緊急度の高い連絡にはチャット、記録を残したい場合はメールなどを利用する。
- オンライン会議では、情報を良く共有し、時間を有効に活用する。議事録を残し、決定事項を明確にする。
- 積極性
- 報連相を徹底し、進捗状況や問題発生などをタイムリーに伝える。
- 積極的に情報共有を行い、チーム全体で情報の一元化を図る。日報や週報で自分の業務内容を報告する。
- 意見やアイデアを積極的に発信し、チームに貢献する。オンラインでの意見交換に参加する。
- チームとして連携
- 仕事は複数人のチームとして仕上げることが一般的なので、チームとして機能している自覚を持つ
- 自らに要求されていることを十二分に理解し、時間内に成果を確実に挙げ、チームとしての成果に拘る。
- 他人の進捗なども良く把握し、必要な助けが必要な場合に臨機応変に対応する。
4.タスクやプロジェクトをリモート環境でも確実に遂行できる力量と責任感
テレワーク・リモートワークでは、個々の裁量が大きくなるため、責任感を持ってタスクやプロジェクトを遂行する力が必要です。
- 計画力
- 目標を明確化し、タスクを細分化する。
- スケジュールを立て、進捗状況を管理する。
- 業務に必要なリソースを確保する。
- 実行力
- 集中力を維持し、業務に専念する。仕事専用のスペースを確保する。
- 問題が発生した場合は、自ら解決策を検討し、実行する。
- 状況に応じて、上司や同僚に相談する。
- 質の高い成果物を目指し、納期を守る。
- 成果物のチェックリストを作成し、それを潰す。
- 責任感
- 自分の行動に責任を持ち、最後までやり遂げる。
- 主体的に行動し、指示待ちにならない。
- 常にスキルアップを心がけ、より質の高い仕事を目指す。
5.必要に応じて問題解決ができる調査力と解決スキルと対応力
テレワーク・リモートワークでは、問題が発生した際に、自ら解決策を見つけ出す力が必要となります。
調査力
- 必要な情報を効率的に収集する。
- インターネット、社内データベース、関係者へのヒアリングなど。
- 情報を分析し、問題の本質を見抜く。
- 情報をカテゴリー分けし、因果関係を分析する。
- 仮説を立て、検証可能な形で問題解決に取り組む。
- 問題が発生した状況、時期、関連する事象などを考慮する。
- オンラインリソースや社内ナレッジベースの効果的な活用で適切に調査する。
- 収集した情報の信頼性評価とパターンの識別を行う。
- 情報の客観的評価と多角的な視点からの問題の検討をする。
解決スキル
- 論理的思考で解決策を導き出す。
- MECEを意識し、ロジックツリーを活用する。MECEとは、物事の要素を細かく分解して、問題を把握する思考法です。
- Mutually(お互いに)
- Exclusive(重複せず)
- Collectively(全体に)
- Exhaustive(漏れがない)
- 発想力を活かし、新しい解決策を生み出す。
- 状況に応じて最適な解決策を選択し、決断する。
- 解決策のメリットとデメリット、リスクを比較検討する。
- 従来の枠にとらわれない発想と異なる分野からのアイデアの応用をする。
- 複数の解決策の評価とリスク分析に基づく迅速な判断を行う。
- 解決策の段階的な実施計画の作成と進捗のモニタリングを実施する。
対応力
- 問題の緊急性や重要度を判断し、迅速に対応する。
- 影響範囲を把握し、対応の優先順位を決める。
- 関係者とコミュニケーションを図り、協力を得ながら解決する。
- 状況の変化への迅速な適応と複数のアプローチの検討をする。
- プレッシャー下での冷静さの維持とポジティブな姿勢の保持。
- 利用可能なツールや技術の最大活用と必要に応じた外部リソースの調達を判断する。
問題解決能力は、単なるスキルではなく、継続的に改善の機会を探し、困難を成長の機会として捉えるマインドセットでもあります。リモート環境特有の課題(コミュニケーションの制限、技術的問題等)にも適切に対処できる能力を含みます。
必要な力量・スキルのまとめ
テレワークやリモートワークで真に力を発揮するためには、これら5つのスキルセットを総合的に開発し、継続的に向上させていく必要があります。これらのスキルは相互に関連しており、一つのスキルの向上が他のスキルの改善にもつながります。
重要なのは、これらのスキルを単に個別の能力として捉えるのではなく、リモートワーク環境で成功するための統合的なアプローチとして理解することです。自己管理能力を基盤として、ITスキルを駆使し、効果的なコミュニケーションを行いながら、高い専門性と責任感を持ってタスクを遂行し、直面する問題を柔軟に解決してい、こうした総合的な能力が、真に価値の高いリモートワーカーとしての評価につながります。
組織にとっても、これらのスキルを持つ人材を育成・確保することが、テレワークやリモートワーク体制の成功と持続可能性の鍵となります。個人と組織の双方が、これらのスキルの重要性を認識し、その開発に継続的に取り組むことで、リモートワーク環境下でも高い生産性と革新性を実現することができるでしょう。
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