「平成30年若年者雇用実態調査」にみる若者の転職意識

2020年3月25日

「平成30年若年者雇用実態調査」にみる若者の転職意識

転職を希望する若者が益々増えている

 厚生労働省から「平成30年若年者雇用実態調査」が公表されました。
 5人以上の常用労働者を雇用する事業所約1万7,000カ所と、そこで働く若年労働者(15~34歳の労働者)約3万人を対象として平成30年10月1日現在の状況について調査を実施したものです(前回は平成25年)。

 「定年前に転職したい」と考える正社員の割合は、前回の平成25年調査と比べて1.9ポイント増え、27.6%でした。
 賃金や労働時間などの待遇面でより良い条件を求め、転職を考える若者が増えたことが分かりました。詳しくは、以下のとおりです。

若年正社員の転職希望

 若年正社員が現在の会社から定年前に「転職したいと思っている」割合は27.6%、「転職したいと思っていない」割合は33.2%となっています。

 これを性別にみると、男性では定年前に「転職したいと思っている」が24.7%、「転職したいと思っていない」が35.1%、女性では定年前に「転職したいと思っている」が31.3%、「転職したいと思っていない」が30.6%となっています。

 年齢階級別にみると、定年前に「転職したいと思っている」は「20~24歳」層が32.8%と他の年齢階級と比べて高くなっています。

希望する転職年齢

 定年前に転職したいと思っている若年正社員のうち、希望する転職年齢階級をみると、男性では「30~39歳」が42.7%と最も高く、女性では「29歳以下」が44.0%と最も高くなっています。

若年正社員の転職希望理由

 現在の会社から定年前に転職したいと思っている若年正社員について、転職しようと思う理由(複数回答)をみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が56.4%、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」が46.1%と高くなっています。

正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望

 正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望をみると、「正社員として働きたい」が41.8%、「正社員以外の労働者として働きたい」が30.9%、「独立して事業を始めたい」が4.7%となっています。

 性別でみると、男性では「正社員として働きたい」が49.3%、「正社員以外の労働者として働きたい」が14.9%、女性では「正社員として働きたい」が38.2%、「正社員以外の労働者として働きたい」が38.3%となっています。

豊かな職業経験は重要

 当社に面接に来る方をみますと、2~3年程度で転職を繰り返している人もいます。
 そういう人たちに、「今自信を持って取り組める業務、これなら人に負けないと言えるスキルは何ですか?」と問いましても、何も無いことが100%に近いです。

 数年程度で責任のある業務を任せられるケースも少ないでしょうから、責任を持って仕事に取り組むという経験が皆無なことが伺えます。それだと使えないまま転々とするようになるので、どこかで踏ん張って力量・底力をつけたいものです。

 責任のある立場なって仕事をこなすと、間違いなく見える景色が全く変わってくるはずです。
 そうした実りある豊かな職業経験を積むことが本当に重要だなと感じます。

責任とは最後までやり切ること・結果を追うこと

 「責任とは何ですか?」という問いにも、答えられない人が多くなっているように見受けられます。残念です。
 責任を負って、業務をこなしたことが無いのだろうと、寂しい気持ちになります。

 責任とは「最後までやり切ること」「結果を出すこと」ですね。
 結果についての説明については、また別の機会で述べたいと思います。

 昔のような終身雇用が崩壊している世の中ですが、安易な転職に逃げず、しっかりと自分を鍛えてくれる、人生を本当の意味で豊かにしてくるような職場に出会って欲しいと願います。そこで歯を食いしばって結果責任を負うことが、スキルアップへの道だと考えます。

参考リンク

厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-h30.html

【PR】働き方改革コンサルなら(株)グローリレイションへ