Withコロナ・Afterコロナに向けてサバイバルの覚悟が必要

2020年5月5日

Withコロナ・Afterコロナに向けてサバイバルの覚悟が必要

withコロナ・afterコロナの状況が前提か

 新型コロナウイルス感染症拡大という、誰にとっても不可抗力の事態に襲われ、日常生活に大きな支障をきたすことになってしまいました。お店を休業せざるを得ない方、シフトを大幅に削られてしまった方、その不安は幾ばくかと胸を痛くします。

 しかし、このコロナについては、withコロナ、afterコロナと、この新型ウイルス感染症と共に生きることが前提とした社会のあり方などが叫ばれるようになり、そうした意見を聞くようになってまいりました。

 事実この自粛期間中に、地球環境という側面で考えると、浄化されているのかも知れません。コロナ騒動も長引く可能性もあり、こうした状況下で、我々は生活様式を変化させていく必要性を真剣に検討する必要もあるのでしょう。

弱者に過大なしわ寄せをしてはいけない

 世の常として、弱者にしわ寄せがいったりします。いつの時代でも子供などの無力なところにはしわ寄せが行き、人生そのものを曲げてしまう可能性もあるので、我々大人としては、そうならないように自制の精神も必要でしょう。

 コロナはいつまで続くのか、と不安になることもやむなしですが、どのようにして共生していくかの視点も重要です。
 コロナと共にサバイバルの覚悟も必要でしょう。そんなことを想起させる記事を参考までに転載しておきます。

「コロナ以降」に向けてサバイバルの覚悟を

「5月には山を越える」楽観の根拠は見当たらない 2020.4.6(月)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60027

新型コロナウイルスの感染が収まるには最低1年はかかると思っていた方がいい

 初めに、残念な計算からお目にかけねばなりません。
 一つは直線状の予測、つまり今日に10人増えたのなら、明日も10人増えるだろうという予測(これはこのところの推移では、そうならない場合が多いので、ある「下限」を評価するために記しています)。

 もう一つは指数関数的な予測、つまり、いままでの増加が「倍々ゲーム」的に増加率そのものも増加し続ける、いわゆる「感染爆発」のベーシックな予想で、これを超えると手がつけられないという目安、上限として記したものです。

「感染爆発」はすでに始まっている

 都内のケースだけではありません。
 JBpress上で科学的な知見に基づき、良心的かつ希望をもって健筆をふるわれる矢原徹一先生のコラム(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59942)は、私には、実際にウイルス研究を手がける専門家の先輩が、リアルタイムで平易に読者と内容を共有する導き手として、模範として参考にさせていただいています。
 新型コロナウイルスについて、矢原先生がSIRモデルをきちんと値引きなしに基礎から説明して展開しておられるのをみて、JBpressでは、そういう科学的な内容を、サイエンスの現場にいる人間が、広く一派読者向けに多士済々で展開していく場、健康な議論の場として成立する原稿を出していこう、と思いを新たにしました。

 このメディアには、矢原さん、小谷太郎君、それに私も含め、少なくとも3人、独立した観点から、データに基づきながら科学的な新型コロナウイルス対策を平易に議論する連載筆者がいる。
 極めて例外的な、しかしグローバルに見れば実に健全なメディアが現在のJBpressだと思います。どうか広く国民一般の参考に供するようにと思います。

 ここで一つ付記します。
 「我々素人は、専門家に正しい情報を教えてもらいたいんだ。いろいろ言われると混乱してしまう」という意見、これはやめましょう。単なる思考停止に過ぎません。
 そのような判断は、私自身も必ず、また読者もいつか迎えるであろう、最期の日、つまり「死」を前提にする場合、すでに21世紀のマナーではなくなっているからです。

 「セカンド・オピニオン」として、よほど覚悟を決めて「今年1年」をどうするか、またコロナウイルス蔓延が去った後「コロナ以降」の状況を念頭に、建設的な具体的内容を考えていく状況にあります。
 以下そのポイントだけを本稿では記し、詳細は具体的に別途掘り下げたいと思います。

今年1年、学校はないものと思え

 最初に分かりやすく記します。東京大学伊東研究室では、4月1日に始まったばかりの今年度1年間、基本的には例外を除いて、講義やゼミナール、学生指導などを、遠隔で行います。
 例外というのは実験装置や薬品を用いるもの、合奏や録音など、物理的にその場にいることが必要不可欠な内容に関しては、安全措置を徹底して対面でも行います。

 ちなみに私自身は、対面の仕事も毎日必ずいくつも処理しています。安全措置を徹底しているのは当然で、40年来「消毒魔」である私が長年励行している「鼻うがい」などについても、リクエストがあれば連載に記しても、と思っています。
 これらは学事ですから、次は学生諸君に向けて、今年1年、学校の勉強は「実質ストップ」するものと思うことを勧めておきます。

 4月からの 高校3年生、中学3年生のみんなには、受験指導を学校はもとより、塾などに頼れると思わない方が安全、と記しておきます。
 遠隔授業で対応するという受験産業も増えるでしょう。何であれ「自習」するしかない。
 別段、中3や高3に限らず、児童・生徒のみんなは、新学期はもとより、新学年1年分の勉強は「誰も教えてくれない」と覚悟して、「自ら学び、自ら考える」人だけが伸びることができると覚悟しておいたほうが安全です。

 誰かに頼って、あさってな期待でどうにかなるものではありません。
 希望的な観測も記しておきます。

 新型コロナウイルスは新型ではありますが、治療法確立の手立てが想像もつかない、という病気ではありません。
 ワクチンを作り、抗体療法を確立すれば、克服できる病気です。そして、その「療法」がいまは確立されていない。

 その間に、かかってしまうと、治療法がないという状況のなか、悪化の一途をたどる人があり、有名人の訃報も流れている通り、毎日コンスタントに命を落とす人が出ている。戦前は「結核」が、治療法のない「死病」でした。

 また1918年に大流行した「スペイン風邪」は、第1次世界大戦の継続が困難となり、ある意味「平和」をもたらすほど、猛烈な病魔が全人類を襲いました。
 政府判断などは、相対化してみておくのが安全です。

 各国では全面的な都市の封鎖なども行われていますが、日本では、業界団体から政治家に圧力がかかる業種などに規制の言及がないなど、見る人が見れば一目見て、部分的な既得権益を擁護する、極めて不徹底な疫学政策にしかなっていません。
 3.11以降の放射能汚染、低線量被曝でも、同じことを記しましたが、自分の身を護るのは結局自分しかありません。誰も何の責任も取ってくれない可能性が一番高い。

 抗体療法の確立には、最低でも1年、一般的には2~3年を見ておく方が安全で、1918年の「スペイン風邪」も3年、3波の山が押し寄せ、全人類人口の25%が感染、5%に相当する1億人ほどが亡くなったとの推計もある最悪のパンデミックでした。
 1918~20年当時と、100年後の2020年現在と、医療の水準そのものは比較にならないほど進歩していますが、ウイルスやヒト免疫システムの生理に変化があるわけではありません。

 同じように恐ろしい病気であることは間違いなく、予防しなければ命にかかわります。

 仮に今回、全世界で20億人が罹患し、4億人が亡くなっても、80億の人口で「95%の生存率」「75%の人は何ともなかった」などと、ポストトゥルース的には書けてしまう。
 しかしワクチン~抗体療法が確立されるまでの1年ないし数年、社会経済は一種の「仮死状態」に入ると、相応の覚悟をしてかからないと、楽観的な予想が外れた場合、取り返しがつきません。

 私は極力、不安をあおるようなことを書かない筆者であることは、連載を見ていただければ分かる通りですが、少なくとも児童生徒の学習については、今年学校で習えるものはゼロと覚悟して、自分で勉強しないと、1年経っても何の変化もなく、結局のところ損するのは自分、となるのが、まず確実と思います。

 ですから、自ら考え、自ら学び、着実に自分の足で進んでいくことを強く薦めます。

 なお、1年後の入学試験で、狭い部屋に受験生を、席一つ程度の間隔で押し込めてペーパーテストが実施できる、という保証は、現時点ではどこにもありません。
 ネットワークコンピューターの導入その他、学習や大学受験のシステムそのものに、抜本的な変化を要請する可能性が、今回のパンデミックにはあること。

 各国で牽引的な役割を負う大学は、すなわち英オックスフォード、米ハーバード、仏ソルボンヌ、米ニューヨーク、日本では我が東京大学もそうですが、こうした問題をすでに検討する国際的な議論を開始しています。

 「コロナ以降の新世界秩序」「新産業創出」「新教育システム」などに向けて、明確な始動がすでに動いていることも付記しておきます。
 記せる内容については、鋭意解説していく予定です。

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