緊急事態宣言で注目のテレワークツール「Zoom」注意

2020年4月19日

緊急事態宣言で注目のテレワークツール「Zoom」に注意

相次ぐZoomのセキュリティ安全面への指摘

 テレワーク・在宅ワークが広がりを見せる中で、Zoomを利用する会社も増えているようです。
 当社でもZoomは話題になった頃ですから、1年前あたり、2019年中旬ごろから使用していました。

 ところが、Zoomについては、主要なセキュリティ上の指摘が以下の4点ありました

  1. 暗号化に関する懸念
  2. ビデオ会議に乱入されるZoom爆弾
  3. パソコンの情報を不正に取得される脆弱性
  4. ユーザデータの取り扱い

 当社でも、Zoomを控えようか検討しました。

Zoomの利用は控えるべきか?

 Zoomの特徴はその使い易さであり、ITリテラシーが低い人であっても利用出来ることが受けて、ビデオ会議としては後発ながら急速にシェアを伸ばしています。
 近年急速に注目度が上がったため、セキュリティの指摘が目につきますが、Zoomのセキュリティに対する指摘は実は今に始まったことではなく、以前からも度々セキュリティの指摘が発生することは少なくなかったそうです。

 Zoomは急成長中のスタートアップであるため、セキュリティ投資よりも機能開発、ユーザー獲得に重点を置いていたものと推測されます。
 これはZoomに限らずリソースの限られているスタートアップには良く見られる状況です。

 では、Zoomの利用を辞めるべきか?の問いに検討しましたが、使った方が良いという結論に至りました。
 新型コロナウィルスの感染被害は拡大する一方で有り、人がいかにして接触しないかを対策することは非常に重要な「安全対策」で、ビデオ会議は重要な「安全対策の一つ」です。

 ビデオ会議ソリューションは他にも幾つか存在しますが、「誰でも簡単に使えるか」という点は非常に重要であり、「誰でも簡単に使える」という点においてはZoomは頭一つ飛び出していると感じます。

 現在の緊急事態においてビデオ会議は不特定多数の人や企業と実施することになりますが、ビデオ会議システムによっては事前のID取得が必要であったり、会議の案内方法が不便だったり、資料の共有方法が分かりづらかったりと、操作方法につまずくことは少なくありません。
 詳しい操作説明を聞いてなくても誰でもすぐに使えるというのは非常に重要なポイントです。

 多くの企業にとって、Zoom以外のソリューションを選択するより、Zoomを安全に使う方法を検討する方が、現時点では現実的な解決策に成り得るでしょう。

Zoomを安全に利用するには

 ではどのように利用すれば良いか、以下はZoomを安全に利用する方法になります。

1) Zoomクライアントは最新の物を利用する

 Zoomクライアント4.6.9より以前のバージョンには、UNCの不正利用リスクが存在するため、最新のバージョンを利用するようにします。

2) Zoomの利用ルールを決める

 全ての会議をZoomで実施するのではなく、議題に応じてZoomで実施すべきかどうかのルールを決めておくことで、Zoomの暗号化の不備等に対応出来ます。

 機密性・秘匿性の高い議題については、Zoom以外のチャネルを利用して資料を共有する等の対策を行う必要があります。
 現在のZoomの暗号化の仕組みでは、Zoom社自身に復号化されるリスクが存在するとされています。

3) 会議用URLにはパスワードと待機室を利用する

 Zoomで会議室を準備する際には、必ずパスワードと待機室を利用するようにします。これは「Zoom爆弾」に対する対策となります。
 この設定方法については、ネット上に様々な情報があると思いますので、そちらに譲ります。

Zoomの持つ残酷さもあったとか

 海外の事例ですが、Zoomを使った学生のオンライン授業において、自宅を使うということが貧富の差をまざまざと見せつけられ、残酷な面も存在するということでした。確かにそうですね。
 昔だったら、自宅が裕福だろうが貧しかろうが、学校に集まっていれば自宅の様子は具体的にはなかなかうかがい知れないものでした。

 ところが自宅ベースのオンライン授業だと、自宅の様子が分かってしまい、残酷さも見逃せないそうです。
 なんとも悲しい話です。その話題が現代ビジネス『緊急事態宣言で注目のテレワークツール「Zoom」その残酷な一面(小林 雅一)』に掲載されていました。当記事はZoomの基本機能も端的に語られておりましたので、一部転載させていちゃだきます。

緊急事態宣言で注目のテレワークツール「Zoom」その残酷な一面

新しいツールには一長一短ある
小林 雅一:作家・ジャーナリスト
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71662

新型コロナウィルスによるパンデミックの渦中で、私達は仕事や社会生活、教育などの場を現実世界からオンライン空間へとシフトさせている。

そうした中で今、世界的な注目を浴びているのが米国の「ズーム(Zoom)」だ。これはパソコンやタブレット、スマートフォンなどから使える、ビデオ会議をはじめとするコミュニケーション・ツールだ。あるいはビジネス・パーソンにとっては、今や不可欠となったテレワーク(在宅勤務)用のツールとも呼べるだろう。

ズームの1日当たりの利用者数は昨年12月に世界で約1000万人だったが、今年に入ってコロナ危機を契機に鰻上りに増加し、現在は2億人を突破したとされる。特にスマホやタブレット用に提供される無料アプリとしては、ここしばらくアップルの「アップストア」で上位を維持している。

スカイプとの違いは?

これと同種で以前からよく使われているツールには、スカイプや「Google ハングアウト」、「Microsoft Teams」などが知られている。これらとズームはどこが違うのだろうか?

最大の違いは、ズームの持つソーシャル・メディア的な要素にある。たとえばウエブ・カメラから撮影される自らの映像にインスタグラムのようなフィルターをかけたり、背景の映像を編集・加工して散らかった部屋の様子を隠すことなどができる。

もう一つの違いは、ズームの使い易さにあるとされる。もちろん初心者でもウエブ・カメラとマイクをパソコンにつければ即座に使いこなせるほど簡単ではないが、それでも他のツールに比べれば短時間で操作できるようになる。

また誰かをビデオ会議に招待する場合にも、たとえばスカイプ等では相手も予め同じソフトをインストールしておく必要があるが、ズームの場合にはその必要がなく、ただ招待用のURLを相手に送るだけでいい。つまりブラウザ・ベースでヴァイラルに拡散して、利用者を一気に増やす素地を備えている。

これらの理由から、ズームは主に高校生や大学生らの間で急速に普及した。本来、ビジネス向けのビデオ会議システムとして開発されたツールだが、若者たちはむしろオンラインのパーティなど社交や遊びに多用し始めた。また学校の教師やヨガのインストラクターらが、オンライン授業等のツールとしても重宝しているようだ。

ズームは同時に最大100人のユーザーまで、また最長40分の利用時間までは無料で使える。同時の利用者数・利用時間がそれ以上に及び、標準仕様以外の追加機能なども使う場合には、月額15ドル以上の使用料金が課せられる。こうした有料ユーザーの大半は、仕事用のビデオ会議などにズームを使っているビジネス・パーソンと見られている。

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