2019年の企業倒産状況~東京商工リサーチ調査

2020年4月19日

2019年の企業倒産状況~東京商工リサーチ調査

倒産件数が11年ぶりに増加

 東京商工リサーチの調査結果によると、2019年の全国の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は8,383件(前年比1.7%増)で、リーマン・ショックが起きた2008年以降、11年ぶりに前年を上回りました。
 一方、負債総額は1兆4,232億(同4.1%減)と、過去30年間で最少を更新しました。

 なお、2020年1月度の倒産件数は、773件(前年同月比16%増)でした。こちらも約11年ぶりに5か月連続の増加となりました。

産業別での倒産は?

 産業別の倒産件数は、飲食業等の「サービス業他」が2,569件(前年比2.2%増)で最も多く、4年連続で増加しました。
 これは主に消費税引上げに伴うものと考えられます。

 次に、「建設業」が1,444件(同0.9%増)で、11年ぶりに増加しました。
 また、「小売業」、「製造業」、「運輸業」、「情報通信業」「農・林・漁・鉱業」が前年よりも増加しています。

「人手不足倒産」が深刻化

 また、人手不足に関連する倒産は426件(前年比10%増)で、2013年調査開始以来、最多を更新しました。
 その内訳は、「後継者難」が最も多く270件(同2.8%減)で全体の6割超を占めています。「後継者難」による倒産は中小企業に多く、事業承継がスムーズに移行できないケースや、誰にも後継ぎをさせずに自分の代で終わらせるケースが多いようです。

 次に、「求人難」が78件(同32.2%増)、「従業員退職」が44件(同83.3%増)、「人件費高騰」が34件(同30.7%増)と続きました。
 社員の定年退職や中核社員の独立、転職により人材が減少する一方で、新たな人材確保が難しくなっていることが問題となっています。

新型コロナウイルスの影響が恐ろしい

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、中国に事業所や工場を持つ企業は現地での感染拡大防止への対応等で生産活動に影響が出ています。
 また、訪日客の減少によるインバウンド需要も減少し、日本国内の飲食店や宿泊施設にも影響を及ぼすことによる今後の倒産件数への影響が懸念されます。

2020.4.3現在「新型コロナウイルス」関連の倒産17件

 東京商工リサーチによれば、2020年2月以降、「新型コロナ」関連の倒産は17件発生しているそうです。
 都道府県別では、最多は東京都5件、次いで、北海道と兵庫県が各2件、福島県、茨城県、新潟県、大阪府、広島県、岡山県、福岡県、沖縄県の各1件。

 倒産形態別では、破産12件、民事再生法5件だそうです。業績が厳しいなかで経営を維持してきたものの、「新型コロナ」の影響により事業継続を断念したケースが大半を占めているそうです。

参考リンク

 以下のリンク先では、コロナ関連の倒産の速報を報じています。

東京商工リサーチ「2020年(データを読む)」
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/index.html

【PR】働き方改革コンサルなら(株)グローリレイションへ