労働人口を支える40代社員の課題に企業はどう対応すべきか
40代社員が足りない!?
昨年、「40代前半の社員が少ない」との某大手企業トップのコメントが話題になりました。
40代前半層といえば、就職氷河期世代に該当します。
つまり、採用を極端に少なく調整した時期で、2018年の新卒求人倍率が1.78倍なのに対し、氷河期の底であった2000年はたったの0.99倍(リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」より)だったのです。
「その結果だろう。何を今さら」といった反感がネットを中心に飛び交いました。
企業が求める40代
「氷河期世代は採用人数も少ないため、出世もしやすい」と勘違いされがちですが、企業が求める40代は、例えば20代で経験を積み、リーダー職や係長職を経て、30代後半で課長、40代で部長等上級ポストを担える人材で、氷河期世代の40代は採用の対象になりにくいといわれています。
賃金構造基本統計調査からみる40代
「賃金構造基本統計調査」とは、政府が主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別に明らかにすることを目的として、毎年6月(一部は前年1年間)の状況を調査している調査です。
2018年6月に公表された結果によると、2010~12年平均と2015~17年平均の比較では、全年齢平均では31.0万円から31.9万円と増加しているものの、40~44歳および45~49歳の年齢層では5年前の水準に比べて減少しています。
また、常用労働者数100人以上の企業における部長級、課長級の役職比率を見ると、5年前と比較して全体的に昇進が遅くなっていることがわかります。
一方、常用労働者数100人以上の企業における部長級、課長級の人数は、比率が低下している中でもむしろ増加しており、役職比率の低下は世代の労働者数の増加に起因しているようです。
また、役職者数の増加は45歳以上の課長級が中心であることから、上級ポストが空かないことによるポスト待ちのような状況が多く発生している可能性があり、下手をすると、「生涯ヒラ社員」で終わる社員が多く発生する可能性があります。
企業が求める40代へのフォローやメンテナンスが今後の課題
バブル期入社世代にあたる40代後半、団塊ジュニアにあたる40代半ばにかけては、労働者のボリュームゾーンです。
企業が求める40代になっていない層、ポスト待ち層のモチベーションを下げずにどう活躍してもらうか、フォローやメンテナンスが今後の課題になりそうです。
<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>
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