平成28年度 個別労働紛争件数にみる労働紛争の現状

2020年1月27日

総合労働相談件数は100万件超で高止まり

 厚生労働省「平成28年度個別労働紛争の施行状況」(6月16日発表)によると、平成28年度の総合労働相談件数は113万741件で、前年度と比べると9.3%増となりました。
 件数が100万件を超えるのは9年連続であり、高止まりしています。
 泣き寝入りせずに、職場改善を求める動きが広がっていることが、その背景にあるようです。

「いじめ・嫌がらせ」が問題のトップ

 中でも大きな問題となっているのが「いじめ・嫌がらせ」です。民事上の個別労働紛争の相談件数(70,917件)、助言・指導の申出(2,206件)、あっせんの申請件数(1,643件)のすべてでトップとなりました。
 「いじめ・嫌がらせ」は、近年、職場で問題視されている「ハラスメント」と同じものと考えることができます。例えば、厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」(今年3月公表)においても、3人に1人が「パワーハラスメントを受けた経験がある」との結果が示されているなど、企業での対策が急務となっています。

ハラスメントをめぐる労働紛争防止のために

 
 特に近時は、「個別の労働者vs企業」のトラブルがマスコミにも取り上げられ、企業イメージが大きく損なわれるといった事案も増えています。
 ハラスメントの問題を「個人同士の問題で会社には関係ない」と捉える人はまだまだ多いようですが、トラブルを未然に防ぐためにも適切な対策を講じることが大切です。
 ハラスメントの研修会を実施したり相談窓口を設置したりするなどの手を打っておきましょう。

<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>