病気の治療と仕事の両立の状況は?

2020年1月23日

病気の治療と仕事の両立の状況は?

 医療技術の進歩により、病気になっても職場に復帰し、治療を行いながら働き続ける方が多くなってきました。
 今回は、「病気の治療と仕事の両立に関する実態調査(WEB患者調査)」(労働政策研究・研修機構)の結果から、気になるポイントを見てみましょう。

主な疾患と通院頻度

 主な疾患は、以下の通りとなっています。

  • 糖尿病(34.3%)
  • がん(19.8%)
  • 難病(17.6%)
  • 心疾患(15.9%)
  • 脳血管疾患(6.3%)
  • 肝炎(6.0%)

 通院頻度(疾患罹患後から1年間の平均)は、どの疾患も「月1回程度」の割合が最も高く、「3カ月に1回程度」と続きます。

休暇・休職期間

 治療・療養を行うための連続2週間以上の休暇または休職については、次のようになっています。

  • 「取得した」(30.9%)
  • 「取得していない」(51.9%)
  • 「そもそも休職制度がない・適用されない」(17.2%)

 取得したとする割合が高い疾患は、

  • 脳血管疾患(56.9%)
  • がん(53.5%)

 などでしたが、一方で糖尿病(14.0%)は他の疾患に比べて低くなっています。
 休職期間は、

  • 「1カ月程度」(31.5%)
  • 「2週間程度」(26.3%)
  • 「2カ月程度」(13.6%)
  • 「3カ月程度」(9.4%)

 などとなっています。3カ月以下の合計は80.8%となっています。

退職状況

 疾患罹患後において、「現在も同じ勤め先で勤務を続けている」(78.3%)方が多くいる一方、「仕事を続ける自信がなくなった」等の理由で退職等した方もいます(合計20.7%)。内訳は次の通りです。

  • 「依願退職した」(14.7%)
  • 「会社側からの退職勧奨により退職した」(3.6%)
  • 「解雇された」(1.7%)
  • 「休職期間満了により退職した」(0.7%)

職場で誰に相談したか

 疾患に罹患した場合、職場では「所属長・上司」(63.2%)へ相談する方が最も多い一方、「勤め先には一切相談・報告しなかった」(26.9%)方もいます。
 人事労務担当者のみならず、部門長等の立場にある方も、一定の知識を持っておくべきではないでしょうか。

 これらの結果をみると、通院頻度や休職期間はイメージよりもずいぶん少ない場合が多く、勤務を続ける方も多いと感じられるのではないでしょうか。
 会社からの情報提供(公的制度による支援や相談先についてなど)や制度整備を行うことによって、病気になった方でも力を発揮しやすい職場を作ることは、会社の魅力度アップにもつながるでしょう。

<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>

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