直感と論理をつなぐ思考法で妄想や直感を実現させる
「ビジョン思考」で妄想を形に
佐宗邦威氏「著(ダイヤモンド社、2019年3月6日発行)の「直感と論理をつなぐ思考法」も参考になった書籍でしたので、ご紹介に供します。
途方もないビジョンを駆動力にしながらも、同時に、「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込みます。
こうした思考のモードを、「ビジョン思考」と呼ぶそうです。
ビジョン思考の基本サイクルは、「妄想 → 知覚 → 組替 → 表現」の4つのステップから成るそうです。
ビジョン思考の基本サイクル4ステップ
以下、ビジョン思考の基本サイクル「妄想 → 知覚 → 組替 → 表現」の4つのステップを簡単にご紹介します。
1.妄想(ビジョン)
「妄想と現実とのギャップ」を認識します。
自らの関心に基づくビジョンを明確にし、現状との間のギャップを受け入れた時、その隔たりを埋める気持ちが起こり、創造的になれるそうです。
2.知覚
「知覚」による統合・解釈によって、自分の中から取り出したビジョンを妄想から、現実を動かすアイデアへと洗練していく。
これは、次の3つのプロセスから成るとされていました。
- 感知:外界の情報を、「ありのまま」によく見る。
- 解釈:インプットした情報を、「絵」にして考える。
- 意味づけ:イメージで捉えている世界を「言語化」し、自分なりの解釈に「意味」を与える。
3.組替
生まれたアイデアに「加工」を施します。アイデアを他人に見せてフィードバックをもらったり、要素を細かく分解して組み替えたりします。
それによって、個人の妄想に客観性が付与され、よりアイデアらしくすることができるとされていました。
4.表現
アイデアを実現するために、まず試作品(プロトタイプ)をつくります。
完成度の高いプロトタイプを生み出すには、「具体化→フィードバック→具体化」の反復が重要だそうです。
「直感と論理をつなぐ思考法」の主要目次
主要目次もご紹介しておきます。
- 序章「直感と論理」をめぐる世界の地図
- 1章 最も人間らしく考える
- 2章 すべては「妄想」からはじまる
- 3章 世界を複雑なまま「知覚」せよ
- 4章 凡庸さを克服する「組替」の技法
- 5章 「表現」しなきゃ思考じゃない!
- 終章 「妄想」が世界を変える?
圧倒的な結果を出し続けている会社やチーム
圧倒的な結果を出し続けている会社やチームの陰には、「これがやりたい!」という強い想いをもった人たちがいます。
彼らを動かしているのは、「論理的に導き出された戦略」や「データ分析に基づいたマーケティング」などではないですね。
その原動力は、根拠のない「直感」、得体の知れない「妄想」、いわゆる「ビジョン」の素になっているものだそうで、確かにそうですね。
あえて論理・戦略からはじめない
「それはただの個人的な妄想だ。まず論拠やエビデンスを示せ」「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」・・・。
これが常識でしたし、我々も毒されていた気がします。データやロジックに基づいてマーケットを絞り込み、そこに資本を集中投下するという旧来の考え方では、なかなかうまくいかないことも多くなっています。
直感や妄想を基に、マーケットに強烈なインパクトを与えている人・企業があります。彼らは、途方もない妄想をまず示し、それを駆動力に、ヒト・モノ・カネを呼び込むのですね。
ただの直感・妄想で終わらない
なぜ、彼らは論理を離れたところからスタートしながら、最終的に、現実を動かせるのか?
そのカギは「直感と論理をつなぐ思考法」と結論付けていました。
自分の妄想を解き放った後には、それを具体的な「かたち」へと落とし込み、周囲の人を納得させていくステップが不可欠です。
ビジョナリーな人たちは、途方もないビジョンを駆動力にしながらも、同時に、直感を「論理」につなぎ、妄想を「戦略」に落とし込むことが必要です。
こうした思考のモードを、「ビジョン思考」と呼ぶそうです。
「妄想・表現・絵」
読んでいて強く同意したキーワードも列記しておきます。
- すべては「妄想」からはじまる
- 本当に価値あるものは「絵空事」から生まれる
- 「表現」しなきゃ思考じゃない
- 一瞬で伝わる「絵」を用意する
自分の妄想やビジョンを他者に伝える時、最も避けるべきは「言葉」や「文章」に頼ることだそうで、「テキスト」ではなく、パッと見て理解できる「ビジュアル」に落とし込んでおくべきだとしていました。納得です。
ビジョン具現化は決定的な強みに
将来、AIやロボティクスがインフラとなり、人間の活動の一部を代替する時代が来るとすれば、自分のビジョンを具現化し、自分自身を充足させられる力は、決定的な強みになるでしょう。
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