増加する外国人雇用 ~「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」より

2020年1月27日

増加する外国人雇用 ~「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」より

外国人雇用が増加している

 「インバウンド」という言葉も頻繁に使われるようになり、訪日外国人の増加が取り沙汰されているところですが、雇用の面でも外国人労働者の存在は無視できないものとなってきているようです。

 厚生労働省が公表した平成28年10月末現在の外国人雇用についての届出状況によると、外国人労働者数は108万人を超え、前年同期比19.4%の増加となり、平成19年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新したそうです。

 また、外国人労働者を雇用する事業所は17万2,798カ所で、前年同期比13.5%の増加と、同じく過去最高を更新しています。

国籍別では中国が最多、ベトナムも急増

 国籍別の状況を見ると、中国が34万4,658人と全体の3割を占め、最多となっています。
 次いでベトナム(17万2,018人)、フィリピン(12万7,518人)、ブラジル(10万6,597人)と続いていますが、特にベトナムは前年同期比56.4%の増加となっており、他と比べても対前年の伸び率が高くなっています。

産業別では製造業、事業所規模別では30人未満が最多

 産業別にみると、「製造業」が23.5%を占め、次いで「卸売業、小売業」(16.9%)、「宿泊業、飲食サービス業」(14.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(労働者派遣業、ビルメンテナンス業等が含まれる)(7.9%)となっています。
 また、事業所規模別にみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く、事業所全体の56.7%を占めています。

今後も増加が予想される外国人労働者

 グローバル化の流れから、就労目的の外国人の流入は今後ますます増えることが予想されます。
 また、政府も高度外国人材のさらなる就業促進に向けての取組みや外国人労働者の受入れ拡大を進めており、国内の労働者数の減少も相まって、外国人雇用が加速度的に進んでくることも予想されます。

 これまであまり関係がないと思われていた企業にとっても、「外国人の雇用」が身近な問題になることも、そう先のことではないかもしれません。