従業員の健康もリスクアセスメントしてみよう
「リスクアセスメント」とは
リスクアセスメントとは、事業場にある危険性・有害性の特定、リスクの見積り、対策の優先度の設定、リスク低減措置の決定の、一連の手順をいいます。
事業者は、その結果に基づいて、適切な労働災害防止対策を講じる必要があります。
この考え方を、従業員の健康管理に広げて適用しようとする取組みがあります。
健康管理に関するリスクアセスメント
健康管理についても、リスクアセスメントのプロセスは、一般的なものと同様です。危険を洗い出して、そのリスクを見積もり、対策を検討していきます。
たとえば、心筋梗塞の既往があり、複数の動脈硬化危険因子を持っている従業員が、月60時間の残業をしていたとしたら、リスクは、
- 危険:心疾患の再発(危害の重大性が大きい)
- 発生の可能性:危険因子複数持っていることから、高い
- 危険への対応:過重労働への対策が取られていない
といったことから、「非常に大きい」と見積もることができます。
リスク削減のためのプロセスが明確に
このように見積もられたリスクを削減していくことが大切です。
先ほどの例では、従業員にとっては「危険因子を減らすために、健康診断結果のどの指標の改善に取り組むべきか」、その上司にとっては「過重労働対策として、どの労務管理項目を改善するべきか」が明確になります。
つまり、健康管理に関するリスクアセスメントを行うことにより、危険を「見える化」し、リスク削減プロセスを明確にすることが可能となるのです。
一度、取り組んでみてはいかがでしょう。従業員の健康把握・管理は企業として重要命題です。
<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>
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