留学生の日本企業への就職事情(平成29年度法務省発表資料

2020年1月23日

留学生の日本企業への就職事情(平成29年度法務省発表資料より)

外国人労働者の市場

 現在、日本国内で働く外国人は128万人にのぼり、労働力の50人に一人が外国人であるといわれています。
 今回は、在留資格のひとつ「留学生」について、平成29年度における留学生の日本企業への就職事情が法務省の入管局より発表されましたのでまとめます。

留学生の日本企業への就職実態

 「留学」等の在留資格から、日本国内企業への就職を目的とした在留資格の変更は、22,419人が許可されています(前年比15.4%増)。変更後の資格は「技術・人文知識・国際業務」が全体の91.4%を占めています。

 主な国籍・地域としては、約半数が中国で10,326人(46.1%)、次いでベトナム、ネパール、韓国、台湾となっており、アジア諸国だけで全体の95.5%を占めています。

 就職先の業種としては、非製造業が81.1%、製造業が19%となっています。非製造業では、商業・貿易(9.5%)およびコンピュータ関連サービス(7.7)が上位を占めており、製造業では一般機械および電気(共に3.1%)が上位を占めています。

 職務の内容としては、翻訳・通訳が最も多く23.8%で、販売・営業(14.1%)、海外業務(9.5%)、技術開発・情報処理(6.3%)と続きます。

留学生の就職実態の労働条件や企業規模など

 月額報酬については、20~25万円未満が47.3%と最も多く、次いで20万円未満(34.6%)、25~30万円未満(10.3%)の順となっています。

 就職先の企業等の資本金については、最も多いのが資本金500万円超1,000万円以下の企業等で4,282人(19.1%)、そして500万以下の企業への就職が4,077人(18.2%)で、全体の半数以上が1億円以下の企業へ就職しています。

 就職先の企業等の従業員数については、従業員数50人未満の企業等に就職した者が8,275人(36.9%)と最も多く、これを含め100人未満の企業等への就職数が10,356人と全体の約半数を占めています。

 留学生の最終学歴については、大学卒業者が10,196人(45.5%)と半数近く、次いで大学院卒業者が5,477人(24.4%)の順となっており、両者で全体の約70%を占めています。他に多かったのは、専修学校卒業者で4,869人(21.7%)となっています。

 就職先企業等の所在地については、東京都9,915人(44.2%)と圧倒的に多く、大阪府2,228人(9.9%)、神奈川県1,278人(5.7%)と続きます。

留学生の就職に関する総論

 留学生が日本企業等へ就職する割合は年々増加し、5年前と比較すると約2倍以上に増えています。そして、出入国管理法の改正により、来年4月から新しい在留資格が生まれ、今後ますます外国人の雇用市場は活発になることが予想されます。

 外国人労働者の受け入れを検討している企業は、制度改正の動向に注目することはもちろん、受け入れ後の管理体制の準備にも注意が必要です。

参考リンク

法務省「平成29年における留学生の日本企業等への就職状況について」
http://www.moj.go.jp/content/001271107.pdf

<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>

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