HACCP導入のための「7原則12手順」
HACCPは組織全体で適切に実施することが要求される
2020年6月には制度義務化となっているHACCPですが、HACCPは組織全体で適切に実施することが求められます。
そのため、HACCP導入に向けては、HACCPチームを編成して、定められた原則と手順に沿って運営方法を決定していくことになります。
それが以下の「7原則12手順」です。
HACCP導入「7原則12手順」の内容
- 手順01:HACCPを実施するチームを編成する
- 手順02:レシピや仕様書といった製品の説明書を作成する
- 手順03:意図される使用方法を確認する(加熱の有無など)
- 手順04:製造工程(受け入れ~提供まで)の一覧図を作成する
- 手順05:手順4の製造工程図をもとに、現場での人・モノの動きを確認・修正する
- 手順06:【原則1】危害要因を分析する
- 手順07:【原則2】必須管理点を設定する
- 手順08:【原則3】管理基準を設定する
- 手順09:【原則4】モニタリング方法を設定する
- 手順10:【原則5】管理基準から逸脱があった場合の是正措置を設定する
- 手順11:【原則6】検証方法の手段を設定する
- 手順12:【原則7】記録・文書化・保管システムを確立する
HACCPの制度化に伴い2つの基準を設定
「7原則12手順」は、HACCPに基づく衛生管理を、効果的かつ効率的に実施するために示されています。
しかし業種・業態によっては、これらの順守が困難な場合もあります。そこで厚生労働省では、HACCPの制度化に伴い、2つの基準を設定する予定です。
- 「基準A」…HACCPの7原則に基づく衛生管理
- 「基準B」…HACCPの7原則の弾力的な運用を可能とするHACCPの考え方に基づく衛生管理
「基準B」は、どう弾力的なのか?
ここで気になるのは、「基準B」が、どこまで弾力的な運用になるのかという部分です。
基準Bでは、要求事項である「危害要因分析」「モニタリング頻度」「記録作成・保管」で緩和措置が示される方針で進んでいます。
具体的な例を挙げるならば、次のような柔軟性を持たせた対応策が検討されています。
- 加熱による食材変化は目視確認でOK
- 業態ごとに作成される手引きに沿って日誌作成を行い、それを記録保管とみなす
組織対応が求められるHACCP
「基準B」が設けられる方針とはいえ、食品に求められる安全基準は、「基準A」も「基準B」も大きく変わることはありません。
そのため、これらの原則・手順に沿ってHACCPを導入するには、組織としての取り組みが必要になります。
ISO22000で進めることを決定
当社では、HACCP導入に向けてのご相談を受けましたが、もう思い切って、継続的改善の道具として、ISO22000導入を提案しました。
協議の結果、ISO22000構築に向けて合意を得、これから1年の期間をかけてISO22000を基礎として、HACCP義務化対応することとしていただきました。
ISO22000は衛生面を含め、消費者へ安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステムに関する国際規格です。
HACCPの内容をすべて含み、さらに品質管理の要素が含まれています。
どうせやらなければいけないHACCPなので、会社が良くなるようにしたいという経営者の意思決定を最大限尊重して、良い食品衛生マネジメントシステムの導入と運用のご支援に向かってまいります。
参考リンク
公益社団法人日本食品衛生協会:HACCP導入のための7原則12手順
http://www.n-shokuei.jp/eisei/haccp_sec05.html
JQA:ISO 22000(食品安全)
https://www.jqa.jp/service_list/management/service/iso22000/
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