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  つまり、HLSというプラットフォームに、各規格をモジュールとしてプラグインすれば、それぞれのマネジメントシステムが個別に運用されるのではなく、1つのビジネスマネジメントシステムとして統合される、という発想である。  つまり、HLSというプラットフォームに、各規格をモジュールとしてプラグインすれば、それぞれのマネジメントシステムが個別に運用されるのではなく、1つのビジネスマネジメントシステムとして統合される、という発想である。
  
-{{ :附属書sl_1_図.png?nolink&600 |}}+{{ :附属書sl_1_図.png?nolink&624 |}}
  
- HLSは各規格に共通する普遍的な要求事項によって構成されている。要求事項は箇条4から箇条10までで、順にPDCAを形成している。特徴的なのは、箇条4から箇条6のPDCAの計画(PLAN)の部分である。+ HLSは各規格に共通する普遍的な要求事項によって構成されている。要求事項は箇条4から箇条10までで、順にPDCAを形成している。特徴的なのは、箇条4から箇条6のPDCAの計画(PLAN)の部分である。\\
  箇条4.1の「組織及びその状況の理解」のアウトプットである「課題」と箇条4.2の「利害関係者のニーズ及び期待の理解」のアウトプットである「要求事項」を考慮して、箇条6.1の「リスク及び機会への取組み」で計画を策定する、という構図である。  箇条4.1の「組織及びその状況の理解」のアウトプットである「課題」と箇条4.2の「利害関係者のニーズ及び期待の理解」のアウトプットである「要求事項」を考慮して、箇条6.1の「リスク及び機会への取組み」で計画を策定する、という構図である。
  
  この箇条4から箇条6までは、ISO31000(リスクマネジメント)をベースに作成された。\\  この箇条4から箇条6までは、ISO31000(リスクマネジメント)をベースに作成された。\\
-ISO31000は、マネジメントシステム規格ではなく、事業計画の達成を支援するための、リスクマネジメント手法のガイドライン規格である。+ ISO31000は、マネジメントシステム規格ではなく、事業計画の達成を支援するための、リスクマネジメント手法のガイドライン規格である。
  
 **4章 組織の状況:__組織の内部・外部の環境の把握が追加に__** **4章 組織の状況:__組織の内部・外部の環境の把握が追加に__**
  
-{{ :附属書sl_2_図.png?nolink&600 |}}+{{ :附属書sl_2_図.png?nolink&560 |}} 
  
  HLSの箇条6.1では、「リスク」と「機会」を特定(determine)する、とある。ここでは、「リスク」と「機会」が何を意味するかの定義が重要になる。まず、「リスク(risk)」であるが、附属書SLでは、共通用語としてリスクが定義されており、「不確かさの影響(effect of uncertainty)」となっている。「不確かさの影響」は漠然としているが、ISO31000の用語の定義では「目的に対する不確かさの影響(efrect of uncertainty on object)」とされている。  HLSの箇条6.1では、「リスク」と「機会」を特定(determine)する、とある。ここでは、「リスク」と「機会」が何を意味するかの定義が重要になる。まず、「リスク(risk)」であるが、附属書SLでは、共通用語としてリスクが定義されており、「不確かさの影響(effect of uncertainty)」となっている。「不確かさの影響」は漠然としているが、ISO31000の用語の定義では「目的に対する不確かさの影響(efrect of uncertainty on object)」とされている。
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  HLSでは、箇条6の計画(PLAN)に続いて、箇条8の「運用」で実行(DO)、箇条9の「パフォーマンス評価」で評価(CHECK)へと展開していく。また、箇条9.3の「マネジメントレビュー」では、箇条4.1の「外部内部の課題の変化」と箇条4.2の「利害関係者の課題」を見直す要求があるため、箇条4からスタートしてぐるりと一周する仕組となっている。\\  HLSでは、箇条6の計画(PLAN)に続いて、箇条8の「運用」で実行(DO)、箇条9の「パフォーマンス評価」で評価(CHECK)へと展開していく。また、箇条9.3の「マネジメントレビュー」では、箇条4.1の「外部内部の課題の変化」と箇条4.2の「利害関係者の課題」を見直す要求があるため、箇条4からスタートしてぐるりと一周する仕組となっている。\\
- 箇条10の「改善」には是正処置(箇条10.1)があるが、予防処置はない。+ 箇条10の「改善」には是正処置(箇条10.1)があるが、予防処置はない。\\
  箇条6.1の「リスク及び機会への取組み」には、予防処置の概念が取り込まれているので、予防処置の要求事項はなくなった(予防処置の発展的解消)。  箇条6.1の「リスク及び機会への取組み」には、予防処置の概念が取り込まれているので、予防処置の要求事項はなくなった(予防処置の発展的解消)。
  
-{{ :附属書sl_3_図.png?nolink&600 |}} +{{ :附属書sl_3_図.png?nolink&746 |}}
- +
-ISO9001とISO14001の国際規格(IS)の箇条タイトルにおける前規格との相違点は、附属書SLの採用に因るところが大きい。 +
-特に課題(箇条4.1)と要求事項(箇条4.2)を考慮し、リスク及び機会への取組み(箇条6.1)を計画する部分は、ISO9001:2008とISO14001:2004版には無かった要求事項である。 +
-但し、課題(箇条4.1)と要求事項(箇条4.2)は、ハイレベル(戦略レベル)での理解を求めるものであるため、網羅的な情報収集や詳細な分析を求めるものではない。 +
-また、箇条4.1の「課題」の特定と箇条4.2の「要求事項」の特定は、箇条6.1の「リスク及び機会」の特定を含めて一つのプロセスとして実施することも可能であり、複数のマネジメントシステム(例えばQMSとEMS)で統合して実施することも可能である。 +
-附属書SLでは、「手順」という用語は使用されず、代わりに「プロセス」という用語を使用している。但し、附属書SLは全てのマネジマントシステムに「プロセスアプローチ」を要求するものではない。 +
- +
  
  
 + ISO9001とISO14001の国際規格(IS)の箇条タイトルにおける前規格との相違点は、附属書SLの採用に因るところが大きい。\\
 + 特に課題(箇条4.1)と要求事項(箇条4.2)を考慮し、リスク及び機会への取組み(箇条6.1)を計画する部分は、ISO9001:2008とISO14001:2004版には無かった要求事項である。\\
 + 但し、課題(箇条4.1)と要求事項(箇条4.2)は、ハイレベル(戦略レベル)での理解を求めるものであるため、網羅的な情報収集や詳細な分析を求めるものではない。\\
 + また、箇条4.1の「課題」の特定と箇条4.2の「要求事項」の特定は、箇条6.1の「リスク及び機会」の特定を含めて一つのプロセスとして実施することも可能であり、複数のマネジメントシステム(例えばQMSとEMS)で統合して実施することも可能である。\\
 + 附属書SLでは、「手順」という用語は使用されず、代わりに「プロセス」という用語を使用している。但し、附属書SLは全てのマネジマントシステムに「プロセスアプローチ」を要求するものではない。
  
 {{page>[iso_09]#[ISO(2015)改訂テキストのメニュー]}} {{page>[iso_09]#[ISO(2015)改訂テキストのメニュー]}}
iso_sl_01.1701329640.txt.gz · 最終更新: by norimasa_kanno
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