差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
両方とも前のリビジョン前のリビジョン次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
iso_09_04 [2023/11/27 10:09] – norimasa_kanno | iso_09_04 [2023/11/27 13:52] (現在) – norimasa_kanno | ||
---|---|---|---|
行 68: | 行 68: | ||
実際に組織として、「市場調査」、「アンケート調査」等、あるいは、CSRレポート等で記載されるようなステークホルダーダイアログ/エンゲージメントを既に活用している場合は、それらもその役割を果たす。 | 実際に組織として、「市場調査」、「アンケート調査」等、あるいは、CSRレポート等で記載されるようなステークホルダーダイアログ/エンゲージメントを既に活用している場合は、それらもその役割を果たす。 | ||
- | {{ :042利害県警者ニーズ.png? | + | {{ :isolt:042利害関係者ニーズ.png? |
===== 4.3 QMSの適用範囲の決定 ===== | ===== 4.3 QMSの適用範囲の決定 ===== | ||
行 96: | 行 96: | ||
**文書、記録例** | **文書、記録例** | ||
- | 適用範囲の情報がある場合は「品質マニュアル」、「適用範囲書」など。 | + | 適用範囲の情報がある場合は「品質マニュアル」、「適用範囲書」など。 |
+ | ===== 4.4 QMS及びそのプロセス ===== | ||
+ | ==== 4.4.1 プロセスの決定 ==== | ||
+ | |||
+ | 必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む、QMSを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するために以下の項目を決定する。 | ||
+ | * a)必要なインプット、期待されるアウトプット | ||
+ | * b)プロセスの順序及び相互作用 | ||
+ | * c)測定及び関連するパフォーマンス指標を含む判断基準及び方法 | ||
+ | * d)必要な資源及びそれが利用できることを確実にする | ||
+ | * e)プロセスに関する責任及び権限の割当て | ||
+ | * f)6.1のリスク及び機会への取組みの計画及び実施 | ||
+ | * g)プロセスの監視、測定、評価方法、及び、プロセスの変更 | ||
+ | * h)プロセス及びQMSを改善する機会 | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | **解説** | ||
+ | |||
+ | ■本箇条では、プロセスアプローチに対する理解を深めるためにプロセスアプローチの採用に不可欠な要求事項をマネジメントシステムに対する一般的な要求事項としてまとめて記載している。ここでは、プロセスベースのQMSの導入、維持及び継続的改善も要求されている。 | ||
+ | |||
+ | ■本箇条では、箇条0.3項のプロセスアプローチを要求事項という形式で表現している。この要求事項に従って、システムを確立し、実施し、かつ維持することが求められている。また、プロセスの明確化、相互関係の明確化(プロセスマップ等)、管理基準の設定、必要な資源の投入、運用状況の監視・改善は、QMSのPDCAそのものを表現している。 | ||
+ | |||
+ | ■(プロセスマップの例) | ||
+ | |||
+ | {{ : | ||
+ | |||
+ | ■プロセスアプローチに取組む理由としては、事業活動をプロセスという観点でより詳細な単位に捉えなおすことにより、各プロセスの管理すべき項目が明確になり、顧客満足に向けた取組みを効率的に改善することが推進される。各プロセスからどのように結果が生み出されるかを理解することにより、組織はそのパフォーマンスを最適化することができる。 | ||
+ | |||
+ | ■業務活動の変更や組織変更が必要になるのではなく、あくまでも全体の最適化を図るための手段として採用すべきある。 | ||
+ | |||
+ | ■箇条5.1.1.dのトップマネジメントへの要求事項でもプロセスアプローチの利用促進が求められている。 | ||
+ | |||
+ | ■プロセスの概念は、次項の図(タートル図)の様に考えることができる。プロセスの文書化要求はないが、考えを明確にするために、文書化は役立つ場合がある。 | ||
+ | |||
+ | {{ : | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | **文書、記録例** | ||
+ | |||
+ | この箇条で要求される文書化された情報はないが、箇条4.4.2で要求されている。 | ||
+ | |||
+ | ==== 4.4.2 以下の項目を実施する。 ==== | ||
+ | |||
+ | * a. プロセス運用の支援に必要な文書化した情報の維持(文書類) | ||
+ | * b. プロセスの計画的実施の実証に必要な程度の文書化した情報の保持(記録類) | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | **解説** | ||
+ | |||
+ | ■「プロセス運用の支援に必要な文書化した情報の維持(maintain)」と「プロセスの計画的実施の実証に必要な程度の文書化した情報の保持(retain)」の二つの文書化された情報を要求している。 | ||
+ | |||
+ | ■「文書化した情報を維持する(maintain)」場合は「文書」、「文書化した情報を保持する(retain)」場合は「記録」を意味する。 | ||
+ | |||
+ | ■「品質マニュアル」というタイトルの文書は要求されていないが、「プロセス運用の支援に必要な文書化した情報」は要求されている。 | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | **文書、記録例** | ||
+ | |||
+ | 「品質マニュアル」、「プロセスマップ」、「プロセスのタートル図」、「プロセスの運用手順」、「プロセスの監視・測定結果」など。 | ||
{{page> | {{page> |