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-====== 0 序文 ======+====== 0 序文 9001 ======
  
 ===== 0.1 一般 ===== ===== 0.1 一般 =====
  
- QMSは、組織が戦略上採用するものである。 \\ + QMSは、組織が戦略上採用するものである。 \\ 
  組織は、この規格に基づいてQMSを実施する事で、製品・サービスの一貫した提供、顧客満足の向上、リスク・機会への取組み等の便益を得られる。 \\  組織は、この規格に基づいてQMSを実施する事で、製品・サービスの一貫した提供、顧客満足の向上、リスク・機会への取組み等の便益を得られる。 \\
 +
  但し、画一化、社内文書と規格箇条の一致、及び、規格用語の使用は強制しない。 \\  但し、画一化、社内文書と規格箇条の一致、及び、規格用語の使用は強制しない。 \\
 +
  2015年版もPlan・Do・Check・Act(PDCA)サイクルとプロセスアプローチを採用し、更にリスクに基づく考え方を採用している。  2015年版もPlan・Do・Check・Act(PDCA)サイクルとプロセスアプローチを採用し、更にリスクに基づく考え方を採用している。
  
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  PDCAモデルと箇条の関係は、次のようになる。  PDCAモデルと箇条の関係は、次のようになる。
-  * ・Plan :箇条6 +  * ・Plan:箇条6 
-  * ・Do  :箇条7、箇条8 +  * ・Do:箇条7、箇条8 
-  * ・Check :箇条9 +  * ・Check:箇条9 
-  * ・Act  :箇条10+  * ・Act:箇条10
  
  箇条5の「リーダーシップ」は、PDCAサイクルを円滑に回すための重要な推進力である。  箇条5の「リーダーシップ」は、PDCAサイクルを円滑に回すための重要な推進力である。
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  システムへのインプットとアウトプットが明確にされ、ビジネスマネジメントの一部としてより明確に捉えられるようになった。  システムへのインプットとアウトプットが明確にされ、ビジネスマネジメントの一部としてより明確に捉えられるようになった。
  
 +==== 0.3.3 リスクに基づく考え方 ====
  
 + リスクに基づく考え方は2008年版では、予防処置として含まれていた。
  
 + 2015年版では、リスク及び機会の双方への取組みにより、QMSの有効性の向上、改善された結果の達成、及び好ましくない影響の防止のための基礎を確立することで、予防処置の拡大を図っている。
  
 + 機会とは、例えば、新規顧客の獲得、新製品・サービスの開発、無駄の削減、生産性向上等、目的を達成するのに有利な状況のことである。
  
 + リスクとは、不確かさの影響であり、その不確かさは、好ましい場合(Positive)と好ましくない場合(Negative)がある。
  
 +----
  
 +**解説**
 +
 + 「マネジメントシステム全体が予防処置のツールである(付属書SL 3)」という考え方に基づいて規格は構成された。但し、文書化されたリスクマネジメントのプロセスは要求されていない。
 +
 + リスクに基づく考え方は、ISO9001:2008においては、予防処置、再発防止への取組みとして、その概念が含まれていた。
 +
 + ISO9001:2015では、リスク対応をプロセスに組み込む形となったので、予防処置の箇条は無くなっている。予防処置の発展的解消と言われている。
 +
 +※ プロセスアプローチが少し分かりにくいかも知れないので補足しておこう。
 +  * ・本当に必要なプロセスに基づいて行われているか?
 +  * ・作業工程の中に無駄な手順などは無いか?
 +といった視点で業務を点検し、見直すというアプローチ手法を指している。
 +
 +“リスクに基づく考え方”の例
 +
 +■ 製造工程におけるリスク(危険)への対応
 +  * ①安全性の概念を取り入れて設備を計画・導入し、配置する
 +  * ②保護具など、技術的な危険防止策を導入する
 +  * ③特別なトレーニングを定期的に実施し、被害を最小化する
 +
 +{{ :isolt:04a製造工程におけるリスク対応.png?nolink&569 |}}
 +
 +■特性要因図(Ishikawa diagram)による、リスク(故障)の特定と対応
 +
 +{{ :isolt:04b特性要因図によるリスク特定と対応.png?nolink&526 |}}
 +
 +===== 0.4 他のマネジメントシステム規格との関係 =====
 +
 + この規格は、マネジメントシステムに関する規格間の一致性を向上させるためにISOが作成した枠組みを適用している。
 +
 + この規格は、組織が、QMSを他のマネジメントシステムと一致・統合するために、“PDCAサイクル”と“リスクに基づく考え方”を合わせて、“プロセスアプローチ”の使用を可能としている。
 +
 + この規格は、ISO9000(QMS基本及び用語)及びISO9004(組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチ)に関係している。
 +
 + この規格は、環境マネジメント、労働安全衛生マネジメント又は財務マネジメントのような他のマネジメントシステムに固有な要求事項は含まない。
 +
 +----
 +
 +**解説**
  
 + 組織が一つのビジネスマネジメントシステムを運営している、という考え方から、附属書SLの共通構造(High Level Structutre)が採用され、他のマネジメントシステム(環境、情報セキュリティ、事業継続)との統合が容易になった。
  
 + 他のマネジメントシステム規格との統合におけるプロセスアプローチ、PDCAサイクル、リスクに基づく考え方の使用を可能とした。
  
 + ISO9000(基本及び用語)とISO9004(組織の持続的成功のための運営管理)の関係性が示されている。
  
 +====== 当サイト内リンク ======
  
 {{page>[iso_09]#[ISO(2015)改訂テキストのメニュー]}} {{page>[iso_09]#[ISO(2015)改訂テキストのメニュー]}}
  
iso_09_00.1700729086.txt.gz · 最終更新: by norimasa_kanno
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