2006年度助成金の傾向

2006年07月16日

 2006年度の雇用関係助成金については、基本的には多くの助成金が前年度を踏襲する形となっています。

 特徴的なのが、近年の少子高齢化の急速な進展を踏まえ、育児支援や介護関連の助成金が新設されるほか、本年4月1日施行の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により、代表的な雇用関連助成金の1つである「継続雇用定着促進助成金」が大幅に改正されました。

<新しく整備される助成金制度>

◎ 育児支援関連助成金・・・拡充、一部新設

 子育て期の女性の育児休業からの職場復帰や、新たな起業等に対する支援として、下記のような助成金が新設されました。

 「子育て女性起業支援助成金」
 子育てのため労働市場を一時離れつつも、就業希望を有する女性が再び労働市場に戻るべくチャレンジできる環境を整備するため、離職してからブランクのある子育て期にある女性が起業する場合、起業に要した経費の一部(2/3(上限500万円))を助成する制度。

「中小企業子育て支援助成金」
 中小企業で働く労働者が安心して出産し、働きながら子育てをする条件を実現するため、中小企業(100名未満)であって、育児休業取得者、短時間勤務制度の適用者等が初めて発生し、かつ職場復帰した際に100万円、2人目には60万円を助成する制度。

 この他、上記の育児支援等に関連しては、従来からある「育児両立支援奨励金」や「育児・介護休業職場復帰プログラム奨励金などの制度についても、制度内容自体には大きな変更はないものの、予算規模はやや拡充されています。

◎ 創業・人材の雇い入れ関連助成金・・・現状維持、一部拡充・縮小

 中小企業基盤人材確保助成金など、一部の助成金で期待通りの実績があがっていないことから、予算の削減が行なわれました(制度自体には大きな変更なし)。
 一方、同じく労働力確保関連でも介護関連の助成金については、介護基盤人材確保助成金により約11,000人の雇用増等が実現されるなど、成果があったと考えられたことから、その予算規模についてはやや拡充されています。

◎ 高齢者・継続雇用関連助成金・・・縮小、一部新設

 2006年4月1日より、企業の定年に関する「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正され、雇用確保措置(定年延長・継続雇用制度の導入等)が義務化されることに伴い、従来企業規模によっては最大で300万円×5回の受給可能であった継続雇用制度助成金(第1種)が最大でも300万円×1回限りの支給になるなど、大幅に改正されました。
 また多数継続雇用助成金(第2種)についても、助成金の対象人数の算定方法が厳しくなるなど、削減の方向で改正が行なわれました。

「雇用確保措置導入支援助成金」の新設
 雇用確保措置導入後1年以内に、55歳以上の者を対象として、キャリアカウンセリング、継続雇用に伴う意識改革、起業や社会参加等に係る研修等を実施した場合、研修等に要した経費の1/4(上限あり)を支給。
 同助成金は継続雇用定着促進助成金の1つであり、この助成金を含めて概ね昨年度と同程度の予算規模となっています。

◎ その他の新設・廃止助成金

「職業能力開発支援促進給付金」新設
 事業主が、従業員が自主的に行う職業能力開発について支援する制度(教育訓練、職業能力評価、キャリア・コンサルティング)を設けている場合に事業主が支払った休暇期間中の賃金についてその3分の1~4分の1を休暇時間数に応じて、時間単位で助成

<廃止される助成金>
「職業能力開発休暇給付金」廃止
「長期教育訓練休暇制度導入奨励金」廃止

2006年雇用助成金の傾向と受給対策

 いずれにせよ、今後の助成金の傾向としては、基本的には昨年度を踏襲するという形を取りつつも、少しずつ「雇用の確保」「失業率」から、「子育て支援」「育児しやすい環境の確保」「育児・介護と労働の両立」といった分野へテーマがうつりつつあるようです。
 また今年度の改正ではなんといっても続雇用定着促進助成金が縮小となるインパクトは大きいといえるでしょう。
 継続雇用定着促進助成金については、3月までに継続雇用制度を導入した企業であれば4月以降の申請も可能ですが、申請可能な企業にとっては従来の金額で受給ができる本当のラストチャンスとなります。
 また2種については従来制度で受給中の企業についても一部要件の変更がありますので注意が必要です。

2006年07月16日

カテゴリー:助成金コンサル

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