企業の「受動喫煙防止」に関する取組みの状況

2020年1月27日

企業の「受動喫煙防止」に関する取組みの状況

5割以上が「完全分煙」

 国の取組みとして受動喫煙防止対策が叫ばれる中、事業所を全面禁煙としたり、分煙対策を講じたりしている企業も多くなってきました。
 帝国データバンクが実施した「企業における喫煙などに関する意識調査」(調査対象:2 万3,341 社、有効回答企業1 万212 社、回答率43.8%)でも、自社の主要事業所内の喫煙状況について、「完全分煙」(適切な換気がされている喫煙場所がある、または屋外に喫煙場所を設けている)とした企業が56.2%と最も多くなっていました。
 また、社内での喫煙を全面的に不可とする「全面禁煙」が22.1%となっており、以下、「不完全分煙」(10.0%)、「特に喫煙制限が設けていない」(7.3%)、「時間制分煙」(3.4%)と続いています。

業界・地域別の差が大きい

 取組みには、業界別・地域別で差が見られるようです。
 全面禁煙割合について、業界別では「不動産」(44.1%)が4割超と最高となっており、「金融」(38.2%)、「サービス」(33.2%)と続いています。低いほうでは、「農・林・水産」(11.3%)、「製造」(11.7%)、「運輸・倉庫」(14.0%)、「建設」(18.3%)となっており、業界別の違いが大きい結果となっています。
 また、地域別では、その他の地域がいずれも15~19%となっている中、「南関東」が28.9%、「近畿」が23.6%と、大都市圏での割合が高い傾向となっています。

法令等による全面禁煙化の影響は?

 現在、東京オリンピックの開催等も控えている中、厚生労働省や地方自治体の施策としても、公共施設での全面禁煙化の動きが始まっています。
 今後、法令等により全面禁煙が実施された場合、自社にどのような影響あると予想されるかについて、「影響はない」とした回答が約7割と最も高くなっています。
 「プラスの影響がある」(8.0%)、「マイナスの影響がある」(7.9%)とした企業を業種別に見ると、「プラスの影響がある」では「教育サービス」(22.7%)が最も高く、「マイナスの影響がある」では「飲食店」(47.6%)が半数近くを占めました。

今後も進むことが予想される禁煙化の動き

 喫煙率を下げるための国を挙げた取組みは今後も続いていきそうですが、企業でも、業種による違いはありそうですが、その影響は少なからず受けていくことが予想されます。
 引き続き国や地方自治体における規制強化の動きを注視していきたいところです。

<出典:日本法令 http://www.horei.co.jp/>

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